【企業】植田基工様|シーリングマイクで音声品質の向上と、カメラトラッキングシステムとの連動を実現|MXA910、P300

【企業】植田基工様|シーリングマイクで音声品質の向上と、カメラトラッキングシステムとの連動を実現|MXA910、P300

はじめに

“オンライン会議の音声品質が上がって一語一句しっかり聞き取れるようになると、会議のテンポも良くなりますね”

植田基工 株式会社 代表取締役社長 植田正樹氏

お客様プロフィール

◎ 導入事業者

植田基工 株式会社
事業内容:場所打ち杭工法、オールケーシング工法、障害物撤去工事などの基礎工事
http://www.uedakikou.co.jp/

◎ 納入事業者
株式会社大塚商会
https://www.otsuka-shokai.co.jp/

株式会社レスターコミュニケーションズ
https://www.restarcc.com/

◎ 導入場所
導入場所:植田基工 会議室
竣工日:2021年12月

課題

約10年前に導入したテレビ会議システムに対し、相手先から「声が聞き取りにくい」という声が上がるようになっていました。機材の老朽化もあり、机の上に置くタイプのマイクが声を拾いにくくなっていたのです。それを回避すべく導入したハンドマイクも、コロナ禍にあって使い回しが憚られる状況にありました。加えて、会議室の様子を捉えるカメラは広いアングルに固定されていたため、話者がだれなのかを映像から判断するのが難しく、「名前を言ってから発言する」というルールが用いられていました。

ソリューション

音声品質を確保することを第一に、その都度機器の設置をする必要がなくハンズフリーで使えるシーリングマイクが検討され、MXA910が導入されました。同時にMXA910が特定した話者を自動でカメラがとらえるカメラトラッキングシステムも導入されました。

音声によるトラッキング、さらに天井マイクをセンサーとしたトラッキングは、室内環境による反響や室内に存在する環境音等で意図しない方向にカメラが向いてしまう可能性があるので扱いが難しいとされていますが、今回のシステムでは、機材の特性を熟知しているShureのエンジニアによるマイクユニットの配置、収音エリア(ローブ)の調整、音声検出にメリハリをつけるオートマチックミキサーのゲート制御との組み合わせなどが功を奏し、優れた集収音と安定したカメラトラッキングが両立できました。

効果

MXA910の収集音性能、音質、またP300のオートマチックミキサー、オートゲイン機能などが貢献し、音声の品質は大幅に向上。オンライン会議の相手先からも「聞こえやすくなった」という声が上がっています。また、カメラトラッキングシステムも精巧に機能し、話者がだれなのかが一目瞭然となりました。これにより会議の臨場感が増し、参加している感覚も増大しました。このことは、コニュニケーションの質と会議のテンポを上げることにもつながっています。
 

 

[スペシャルインタビュー]

既存のテレビ会議システムに「聞こえにくい」「だれが話しているのか分からない」という課題が出てきたことにより、シーリングマイク+カメラトラッキングシステムの導入を決断した植田基工様。その経緯を、同社代表取締役社長の植田正樹氏、総務課長の長島忠雄氏、機器納入会社である大塚商会の国仲賢司氏、同じく田邉浩司氏、システムインテグレーターであるレスターコミュニケーションズの福本一樹氏にうかがいました。
 

― 初めに、植田基工様について簡単にご紹介いただけますか。
 

植田 弊社は、基礎工事に特化した建設業を営んでいます。創業以来、建築を主体にしてきたのですが、1995年の阪神・淡路大震災でダメージを受けた高速道路やモノレールの補修を手掛けたことをきっかけに、高架下に潜って作業できるような特殊な機械を作って作業をするようになりました。今では土木の特殊施工をやる会社というイメージが、ある程度定着していると思います。独自のものを考えて開発し、その独自性を強みに変えていこうという考え方は弊社に脈々と受け継がれているものです。

A person wearing a suit and tie

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― 今回おじゃましているこの会議室も、後ほど詳しくうかがいますが先進的な設備がそろっていて、新しいものをいち早く取り入れんとする気概をお持ちであることが伝わってきます。かなり広い空間ですが、どういう用途に使用されているのですか?
 

植田 社内の全体会議や勉強会に使います。弊社の仕事は日本全国に現場がありますので出張が多くて平日に集まれないため、勉強会は日曜日の午前中に集まってやることが多いですね。社員全員が一度に集まるのは難しいので、4回くらいに分けて、多いときで30人くらいが集まります。今の社屋に移ってきたのが1997年ですが、その前からやっていて、かれこれ30年くらいやっていますね。
 

― この社屋に移ってこられたときからこの会議室はあったのですか?
 

植田 場所としてはありました。ただ、設備は整っていなくて、せいぜいスクリーンにプロジェクターで映写して見せる程度のものでした。マイクもスピーカーもありませんでした。で、10年ほど前に大塚商会さんからテレビ会議システムの提案を受けて、それはいいなと思ったのです。というのも、弊社には東京と北陸、名古屋に拠点がありまして、そこにいるメンバーが月に一度集まって会議をしていたんです。午前9時から始めるため前乗りで来てもらって。当時はそれを当たり前のようにやっていたのですが、テレビ会議システムを導入したら、わざわざここに集まる必要がなくなるのではないかと考えて早速導入しました。コスト面では交通費や宿泊費がかからなくなりますし、何よりも社員が時間を有効に使えるようになったのが大きかったですね。
 

― それは大きいですね。そこからさらに今回導入しているシステムに移行されたわけですか。
 

植田 10年経って機材も古くなってきていることもあり、ちょうど会議室の内装も新しくしようと考えていたときだったので新しいものを提案してもらおうということになったのです。
 

国仲 課題として、テレビ会議でつないだ先の方から、こちらの本社で話している方の声が分かりにくいという声が上がっているというお話をうかがいまして。


長島 当時は、机の上に置くタイプのマイクを使っていたのですが、それが音を拾いにくいという問題がありました。そこで代わりにハンドマイクを使うようになったのですが、コロナのこともあり、マイクを回して使うのもよくないということで。また、カメラは2台で、1台は社長を写していて、もう1台は社長の背後から会議室全体を写していたので、社長以外の者が話すとき、だれが話しているのかが分かりにくかったので、発言の前に名前を言ってから話し始めていました。

A person in a suit and tie

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国仲 うかがった課題を持ち帰って、システム構築についてレスターコミュニケーションズ様に相談させてもらって、ご一緒に提案することになったのです。
 

福本 お話をうかがって、天井から話者の音声を収音するシーリングマイクと、それに連動して話者をトラッキングするカメラをご提案することにしました。そこでまずシーリングマイクの現物を確認していただくために、こちらにShure MXA910を持ち込んで見ていただきました。
 

― そのときの印象はいかがでしたか?
 

植田 おぉShureかいな!と。僕らの世代にとっては音楽雑誌の広告でレッド・ツェッペリンのロバート・プラントがShureのマイクで歌っている印象が強いので。トップブランドのイメージですね。
 

福本 システムインテグレーターの立場から見ても、100点のシステムを目指したいと思ったときにマイクで真っ先に思い浮かぶのはShureです。圧倒的に音が良いことに加え、柔軟な調整幅やアプリケーションなど、現場に合わせて音響構築するために必要なすべてがShureのシステムには含まれているのも魅力です。

A person in a suit sitting in a chair

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― ありがとうございます。カメラを含めたデモはどのように行ったのですか?
 

福本 新大阪にある貸会議室で行いました。その会議室には提案内容と同じMXA910と連動するカメラトラキングシステムが設置されているのです。
 

― ご覧になっていかがでしたか?
 

植田 素直にいいと思いましたよ。私はどちらかというと、どうせやるならばスペックの高いものを入れたいと考えるタイプなので、自社のシステムもハイスペックなものにしたいと思いました。そうすることで使っている人間もそのレベルに近づいていくだろうし、ひいては会社のイメージや建設業のイメージ向上にもつながっていくと思うのです。
 

― なるほど、確かにそうだと思います。では、今回導入されたシステムの概要を教えていただけますか?
 

福本 一番の特徴は、先ほどからお話に挙がっているシーリングマイクMXA910と、それに連動して動くカメラトラッキングシステムです。次に、会議室内のAV機器をワイヤレスでタッチコントロールできるタブレットパソコンを用意しています。もう一つの特徴として、POLYCOM社のテレビ会議システムの音声とZOOMなどのWEB会議システムの音声が相互にコミュニケーションできるオーディオブリッジという機能を持たせています。この場所に集まっている方の音声、テレビ会議の音声、WEB会議の音声がすべてつながるシステムはあまり例がなく、先進的です。

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― システムを作る上で気を付けられた点はありますか?
 

福本 カメラトラッキングの調整が、やはりチャレンジングでした。音声によるトラッキングは、環境音等で意図しない方向にカメラが向いてしまう可能性があるので扱いが難しく、これまで避けてきた分野でした。ただ今回は、Shure様にはシステム設計について入念に事前確認していただき、さらにマイクユニットの配置、収音エリア(ローブ)の調整、オートマチックミキサーの調整など、機材の持ち味を熟知されているエンジニアの方々による設定と調整で、非常に優れた収集音と安定したカメラトラッキングを両立できました。この結果が得られたことにとても感謝しています。
 

MXA910の収音方向とカメラトラッキングズームのイメージ


― ありがとうございます。使われている皆さんからの反応はいかがですか?
 

植田 僕からはあえて聞いていないですけど不満はないと思いますね。より良いシステムをどんどん導入していくのは当たり前のことだと思っているので。
 

長島 使い勝手の面で言うと、テレビ会議システムだけのころは通信の問題もあってタイムラグが発生していたんですね。こちらが話して、向こうが反応するまでに、わずかですが間があった。それが気にならない程度になったのがうれしいです。あと、話している人の声の音量を自動で調整してくれるのもいいですね。
 

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― Shure製のプロセッサーP300に搭載されているオートゲインコントロール機能ですね。
 

長島 自然に調整されるので気が付いていない人もいるかもしれないけど、声の大きい人と小さい人のばらつきがないので、つないでいる先の営業所も聞こえやすくなっているはず。
 

田邉 私、システムが改修された後に全拠点を回って確認させていただいたのですが、こちらからの音声は聞こえやすくなっているとおっしゃっています。音声の品質が上がったことにより会議の臨場感も増して、参加している感覚が上がっているように感じました。
 

― それは大きな効果ですね。
 

植田 そう思います。どこかオンラインの会議って、聞こえにくいことがあってもまぁこんなもんだろうとスルーしてしまうこともありましたけど、音声の品質が上がって一語一句しっかり聞き取れるのが当たり前になったら「いまの答えに対してどう思う?」って聞いたときにぱっと反応せざるを得ない。ちょっと今の聞こえませんでしたっていう言い訳ができない(笑)。結果的に会議のテンポも良くなりますね。
 

― 最後に、今後Shureやレスターコミュニケーションズ様、大塚商会様に期待されることがありましたらお聞かせください。
 

植田 技術は日進月歩なので、新しいものが出てきたらどんどん提案してもらえるといいなと思います。よく社員にも話すのですが、我が社はアーリーアダプターの姿勢でやっていきたい。もちろん、本業である工事に関してもそうです。常にそういう姿勢でいるところに情報も入ってくるのだろうし、それに食らいつく気概も出てくるじゃないですか。視野を広げて、今あるものが普通じゃないよと、もっと考え抜く力を持たなければいけないと、自分自身に対しても言い聞かせています。
 

― 本日はありがとうございました。

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左から、株式会社レスターコミュニケーションズ 第二営業部門 福本一樹氏、植田基工株式会社 代表取締役 植田正樹氏、総務課長 長島忠雄氏

※撮影時のみマスクを外しています
 

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導入製品

製品名 説明
MXA910 MXA910 3 ステアラブルカバレッジ技術を採用し、最大8つの独立したローブ(個別収音パターン)を設定することで、発言者の声を天井から極めて正確に収音します。
IntelliMix IntelliMix P300 3 シンプルながらも強力なDSPが、高品質、手軽、費用対効果に優れたビデオ会議アプリケーション向け音声を提供。
MXW2/SM58 MXW2/SM58 2 Microflex Wireless マイクロホンシステム対応のハンドヘルド送信機
MXW1 MXW1 1 無指向性マイクロホン搭載ハイブリッド ボディパック型送信機およびMicroflex Wireless マイクロホンシステム対応の外部マイクロホン入力