小さな会議室にも良質な音響機器を! 簡単なセットアップで主要なWeb会議サービスに接続できるShureの新製品を徹底解剖

ここ数年で働き方が多様化し、オフィス勤務と在宅勤務を組み合わせたハイブリッドワークが定着しつつある。これに伴い、会議や商談も会議室と遠隔地をつないだハイブリッドでの開催が増えた。
ハイブリッド会議で注意しなければならないのは、「全ての参加者が公平に議論に参加する」という点だ。「会議室だけが盛り上がってリモート参加者が発言できない」「会議内容を正確に理解できない」といった状況では全参加者による活発な議論は生まれにくい。
そのような状況に陥る原因の一つが「音」だ。音響機器が会議室の複数人の声を適切に収音できなければ、リモート参加者へ正確に届けられない。受け取る情報に差が出ると、議論に参加しにくくなったり良いアイデアを逃したりしてしまう。
ビジネスを円滑に進める上で、ハイブリッド会議を前提とした会議室の構築は必須と言える。“良質な音響機器”の導入は大人数を収容できる会議室を優先しがちだが、全ての参加者が公平に議論に参加するには、社内会議や商談で頻繁に使用する中小規模の会議室の設備更新が重要だ。
中小規模の会議室における課題を解決する製品が、世界的な音響機器メーカーとして知られるShureの「MXA902+ANIUSB-MATRIX オーディオ・カンファレンスキット」だ。簡単なセットアップで主要なWeb会議プラットフォームに接続でき、快適なハイブリッド会議の環境を構築できるという。本記事は、同キットの魅力とそれぞれの機器の特徴を紹介する。
天井設置型のスピーカーホンとオーディオネットワークインターフェースがセットになった「MXA902+ANIUSB-MATRIX オーディオ・カンファレンスキット」
※一部日本国内仕様とは異なります。
天井設置型のスピーカーホンで中小会議室の音響を高品質化
Shureは、さまざまな会議室に対応したオーディオソリューション製品群を「Shure Microflex Ecosystem」として展開している。マイクはもちろん、音声信号処理からスピーカーまでShure Microflex Ecosystemのソリューションを組み合わせることで、ハイブリッド会議や研修、ウェビナー参加など多様な用途に適した会議室を構築可能だ。
MXA902+ANIUSB-MATRIX オーディオ・カンファレンスキットは、8~15人の中小規模会議室に最適化した天井設置型のスピーカーホン「Microflex Advance MXA902 シーリングアレイスピーカーホン」(以下、MXA902)と、USB端子でPCと簡単に接続できる「ANIUSB-MATRIX オーディオ・ネットワーク・インターフェース」(以下、ANIUSB-MATRIX)、約3メートルのUSBケーブルがセットになったものだ。
Microflex Advance MXA902 シーリングアレイスピーカーホン
MXA902は、マイク、スピーカー、DSP(デジタル信号処理)テクノロジーが1つになったデバイスで、中小規模会議室向けの天井設置型スピーカーホンとしては同社初の製品だ。
外形寸法は約60×60センチとなっており、さまざまなオフィスに採用されているグリッド天井のパネルと入れ替えるだけで簡単に設置できる。また、在来天井への埋め込み設置や天井面への露出設置、ワイヤーやポールを使ったつり下げ設置も専用アクセサリー(別売)を組み合わせて対応可能だ。
音声や制御信号、電力はPoE+対応のイーサネットケーブル1本でまかなえるため、設置工数を大幅に削減できる点も魅力だ。何より、テーブルやモニター周辺にマイクやスピーカーを置く必要がないため、会議室の配線がすっきりして運用しやすいという利点は大きい。
MXA902は、最小限の設定で6メートル四方の空間をカバーできる。「シングルゾーン・オートマチックカバレッジ」テクノロジーを採用しており、発言エリア外からのノイズを抑えながら話者の声を自動で捉える。発言を自然な音質で再生する広拡散スピーカーを組み合わせて、MXA902単体で優れた収音性と聞き取りやすさの両立を実現している。
マイクとスピーカーが一体となったMXA902
※一部日本国内仕様とは異なります。
MXA902に内蔵する「IntelliMix DSP」は、エコーキャンセラーやノイズリダクション、オートミキサーといったWeb会議用音声デバイスに欠かせない音声処理機能を搭載し、リモートで会議に参加する人にクリアな音声を届けられる。
ANIUSB-MATRIX オーディオ・ネットワーク・インターフェース
MXA902をWeb会議のシステムとして利用するために必要なのが、PCと接続するANIUSB-MATRIXだ。PoE+対応のネットワークスイッチを介してMXA902とANIUSB-MATRIXをつなげば、会議用PCやBYOD端末とのUSB接続が可能となり「Microsoft Teams」「Zoom」「Google Meet」といった主要なWeb会議プラットフォームと組み合わせて使用できる。PoEによる電源供給のため、外部電源は不要。コンパクトな機器であるためラックを用いずに設置できて会議室を圧迫することもない。
詳しいセットアップ方法は文末の「MXA902+ANIUSB オーディオ・カンファレンス・キット:セットアップ方法」の動画で確認いただけます。
設定済みの機器で導入の工程を短縮
企業が中小規模の会議室に音響機器を導入、もしくは更新できない理由として、設置工数の煩雑さやコストが挙げられる。
Shureの会議用システムは、プロフェッショナルオーディオで普及しているネットワーク規格「Dante」を用いて、音声や制御の信号をやりとりしている。Shureの製品群で会議室の規模や多様な用途に適した環境を構築できるのはそのためだ。
しかし、Danteの設定や管理はプロフェッショナルオーディオの知識がなければ難しい。必然的に、外部のAVインテグレーターなどに依頼しなければならない。設定や運用を外部に任せる必要があると、中小規模の会議室への導入ハードルは下げられない。
その点MXA902+ANIUSB-MATRIX オーディオ・カンファレンスキットは、2つのデバイスのルーティング設定を済ませていて、複雑なDanteの設定も必要ない。MXA902を天井へ設置する工事さえ完了すれば、ネットワーク接続はイーサネットケーブル1本で済み、オーディオの専門知識がなくともWeb会議システムのコンポーネントとして容易に設定、運用できるはずだ。システムインテグレーターにとっても自社が提供するソリューションに組み込みやすく、幅広いユーザーが採用しやすい製品として期待が大きい。
ショールームでShureの音響技術を体験 音声品質がハイブリッド会議を決める
MXA902をはじめとしたShureの音響技術を体験するショールームとして、Shureの日本法人であるシュア・ジャパンが「Shure東京エクスペリエンスセンター」を東京・虎ノ門に開設している。トレーニングルームや大会議室、中会議室などさまざまな規模の部屋を用意しており、Shureの会議用システムを自分の“耳”で体感できる。
東京・虎ノ門にある「Shure東京エクスペリエンスセンター」。ここではさまざまなShure製品を体験できる
この施設でMXA902を体験するとその実力に驚くだろう。MXA902の特徴は、マイクとスピーカーが一体化されている点だ。これはマイクとスピーカーの距離が非常に近いということであり、一般的にアコースティックエコーが極めて発生しやすい条件となる。ところがMXA902は、Shureの高度なエコーキャンセラー技術がエコーの発生を抑えて、ローカルとリモートなど複数拠点の参加者が同時に発言する“ダブルトーク”の状態でも互いの声がしっかりと聞こえる。
Shure東京エクスペリエンスセンターの会議室でMXA902を体験した様子。スピーカーホンが天井にあることでシンプルな会議室となり、Shureの音声制御技術で別の会議室とつないでも快適にコミュニケーションできた
対面コミュニケーションの場合は、シチュエーションに応じて相手の発言に被せて話し始めることがある。それができるからこそ議論を活性化しやすく、活発な意見交換を阻害しないという見方もある。一方Web会議は技術的な制限があるため、相手の発言が完了したのを待って話し始めるという“暗黙のマナー”があり、同時に話し始めてしまって「先にどうぞ」と譲り合う場面がよく発生する。この経験を繰り返すことが、Web会議で発言をためらう原因につながるのだ。
Shureの音声制御技術は、オンラインであっても対面のような活発なコミュニケーションを可能とする。Shure MXA902+ANIUSB-MATRIX オーディオ・カンファレンスキットの登場で、中小規模の会議室に導入するハードルが低くなり、さまざまな規模の会議室に良質な音響機器を取り入れられるようになったはずだ。
東京エクスペリエンスセンターは、ShureのWebサイトから予約可能だ。実機の体験のほかに会議用システムのプロフェッショナルから機能や技術の解説を受けられる。同施設を活用して自社にどんなソリューションが適しているのか検討してほしい。