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Case Study

【大学】愛知県立大学様|300名収容の講義室にVoice Lift、自然な声で講義・議論の質が向上|MXA920、MXA902他

300名収容の講義室にVoice Lift、自然な声で講義・議論の質が向上
February 08, 2024 |
愛知県立大学様 シーリングマイクMXA920他を導入

“教職員はShureの音声品質と使い勝手のよさを高く評価しており、トラブルなく自然に利用できています。現代の大学に求められるハイブリッド授業環境を強化することができました”

愛知県立大学教育支援センター長兼情報科学部情報科学科教授山村毅氏

お客様プロフィール

◎導入事業者
愛知県立大学
事業内容:教育機関
https://www.aichi-pu.ac.jp/

◎納入事業者
電子システム株式会社
https://densys.jp/

◎導入場所
導入場所:愛知県立大学 長久手キャンパス 特別講義室ほか、異文化交流スペース

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課題

愛知県立大学では、オンライン授業/ハイブリッド授業のニーズが高まる一方、そうした授業を支える音響設備の強化が急務の課題でした。同校では学年全体が参加するような大きな講義を開催するため、300名規模の特別講義室も用意されていますが、従来型のピンマイクやハンドマイクはバッテリーや使い勝手の問題が目立っていました。収音性能が高く、広い講義室の全体をカバーし、トラブルなく手軽に利用できる設備が必要でした。

ソリューション

広い講義室全体をカバーできるマイク設備として、天井に設置するシーリングアレイマイクに着目しました。収音性能に優れ、音声品質が高く、しかも使い勝手のよいShureソリューションの提案を受け、教職員が参加する体験会を開催。良好な反応を受けて、オンライン授業を実施する特別講義室・特大講義室・大講義室にMXA920が導入されました。さらに新設された異文化交流スペースにも、海外とのオンライン交流のためシーリングアレイスピーカーホン MXA902を採用しています。

効果

オンライン授業/ハイブリッド授業で利用されていますが、従来のようにマイクを用意する必要もなく、部屋のどこでも確実に収音できる点が高く評価されています。そのため、他の部屋にも導入してほしい、オンライン会議などでも利用したいという声が大きくなっています。MXA920のVoice Lift機能も広い講義室で効果を発揮しており、トラブルなく、自然に活用されているとのことです。異文化交流スペースに設置されたMXA902も、利用が拡大しており、さらにさまざまな取り組みに活用していきたいとしています。

【スペシャルインタービュー】

高まるハイブリッド授業のニーズ、音響設備に課題

愛知県立大学は、1947年に創立された愛知県立女子大学を母体とし、1966年に設置された公立大学です。2009年には愛知県立看護大学と統合して再編成、外国語・日本文化・教育福祉・看護・情報科の5学部と、国際文化・人間発達学・看護学・情報科学の4研究科を有する大学院とで構成されています。緑の多い閑静な長久手・守山の両キャンパスでは、学部・大学院を合わせて約3,000名の学生が日々学問に励んでいます。

「本学は、国際化や情報化、福祉社会化、生涯学習社会化への対応を教育・研究理念として掲げ、県立大学として地域貢献にも非常に力を入れています。大学から学生へ押しつけるのではなく、自主的な活動が活発であることも特長です。このグローバル社会において私たちが注目している“異文化交流”の一環として、地域の外国籍住民との交流や生活支援を積極的に取り組んでいます」と、愛知県立大学教育支援センター長情報科学部情報科学科教授の山村毅氏は述べています。

山村氏がセンター長を務める教育支援センターでは、大学全体の教育の充実と改革を推進しています。主に大学教員の活動――授業の計画や成績の管理などの業務を円滑に進めるための支援のほか、教育研究に関する取り組みや学生の教職課程のサポートなどを実施しています。

2020年以降の新型コロナウイルス感染症蔓延は、全国の教育機関と同様に、愛知県立大学でも大きな影響を受けました。教育環境の整備を担う教育支援センターも、ハイブリッド授業の実施が求められ、できるだけ教育の質を低下させないようにと努めてきました。パンデミックの収まりが見えはじめると、この経験を生かした効率的で柔軟な授業が政府から求められるようになり、愛知県立大学でも設備の強化が急務の課題となりました。

「これまでは一般的なピンマイクやハンドマイクを使って、ハイブリッド授業を実現していましたが、不満の声も増えていました。長時間の授業だとマイクのバッテリーが切れてしまうこともありますし、ハンドマイクと指示棒を持ったらPCのスライド操作ができません。ハイブリッド授業向けの大きな講義室は、国際会議などにも利用されます。特に音響設備は授業や会議の質を左右するため、よりよくしたいと考えていました」と、愛知県立大学事務部門学務部学務課総括・教職係長の小林章嗣氏は振り返ります。

300人規模の講義室でも肉声で議論できるMXA920 / Voice Lift、学会や国際会議にも

愛知県立大学の課題を受け、電子システム東海支社営業部営業2グループの後藤颯馬氏は、Shureのシーリングアレイマイクを提案しました。天井設置型であれば、いちいちハンドマイクを持ち回る必要もなく、バッテリー切れもなく、広い講義室でも音声を確実に収音できます。

「当社ではさまざまな音響メーカーのシーリングマイクをテストしています。その中でもShureのマイクは収音性能・音声品質・安定性が飛び抜けて高く、愛知県立大学の講義室の広さや品質に対する要求へ応えられると考えました。Shureはサポート力にも定評があり、私たちもインテグレーションしやすく、お客さまへ自信を持って勧めることのできるソリューションです」(後藤氏)

後藤氏の提案を聞いた小林氏は、さっそく導入予定の講義室を使った体験会を催しました。講義で音響設備を利用する教員が参加し、MXA920の能力を肌で感じてもらおうというわけです。電子システムとShureは共同でデモ環境を整えて、シーリングアレイマイクの収音性能や使いやすさ、Voice Lift機能の特徴について30名の参加者へ紹介しました。

デモを体験した小林氏は、MXA920の音声品質の高さはもちろん、Voice Lift機能に驚いたと述べています。同氏は、広い講義室全体に肉声と変わらない声を届けられるとすれば、活発に議論を交わす学会や国際会議などで大きな効果を発揮するのではないかと考えました。

参加者も良好な反応で、最終的に2つの特別講義室と特大講義室、3つの大講義室に導入されました。

ceiling-mic-aichi-university_content02.webp大講義室に設置されたMXA920

異文化交流にもShureが活躍、多目的スペースでも柔軟に対応

MXA920の導入後、電子システムの協力で、教員向けの事前講習会が開かれました。講習会後のアンケートでは、音声品質や使いやすさを評価する声が少なくありませんでした。小林氏によれば、以前のハンドマイクの準備や利用が面倒だったため、電源を入れるだけですぐに講義を始められる点や、マイクを使わず手放しで利用できる点が高い評価に結びついていると分析しています。

また特別講義室ではVoice Liftを常時オンにして利用しています。Voice Liftは従来型のマイク/スピーカーと音声の伝わり方が異なるところもあり、小林氏は「本番の授業で受け入れられるか心配になることもあった」と振り返りますが、利用開始後は特にトラブルもなく利用されています。教員はマイクを意識することなく自然な声で講義をするだけでよく、広い講義室でも後ろの方まで音が届きます。学生が質問するときも、ハンドマイクを受け渡しすることも声を張り上げることもなく、自然に声を講義室全体へ伝えることができるため、スムーズに講義を進行できるようになりました。

ceiling-mic-aichi-university_content03.webpMXA920が4台導入された特別講義室Ⅱ

「シンポジウムなどでも、講演者も質問者もマイクを待つ必要がなくスムーズにプレゼンテーションが進行されるので、イベントそのものの質が上がったように感じます。また当校では対面授業を基本としていますが、Shureソリューションで音響設備を整えたことで、教員や学生の体調や都合によって自由に講義や受講の形態を変えられる“ハイフレックス授業”の環境を強化できたと考えています。今後、教育への導入効果を測定し、新しい使い方も研究・検討していきたいと考えています」(山村氏)

さらに愛知県立大学では、天井設置型のマイクとスピーカーが一体化されたシーリングアレイスピーカーホン MXA902 も導入しています。MXA902を導入したのは、2023年10月に新設された異文化交流スペース「CroCuS(クロッカス/Cross-Cultural Space)」です。この施設は、海外研究者や留学生の受け入れ促進施策の一環として、全学生が多様な文化に触れられる環境を提供して“愛知と世界をつなぐ”研究発信の場として創られました。

活発なオンライン交流を実現できる設備を充実させたのが特徴で、大型モニターとカメラ、スピーカーに加えて、MXA902を採用したというわけです。

「多目的に利用するスペースなので、レイアウトも柔軟性を持たせました。そのためマイクやスピーカーは、部屋全体をカバーできる機能・性能が必要だったのです。MXA902は、CroCuSのオンライン異文化交流に最適なソリューションでした。協定校とのオンラインコミュニケーションや海外大学との合同授業など、さまざまな活用方法を計画しています」と小林氏は述べています。

ceiling-mic-aichi-university_content04.webpCroCuS内の会議スペースには天井設置型スピーカーホンMXA902を導入

リモート会議の質を高めたいというニーズから、MXA920やMXA902を他の会議室にも入れてほしいという教職員の要望も増えているとのことです。そのため、少人数・小規模会議室向けのShureソリューションにも注目しています。

「看護学部と教育福祉学部はキャンパスが違うのですが、教育内容が近しい部分もあり、合同講義のニーズも高まっています。両キャンパスをShureソリューションでつなげられると、品質の高い講義ができるのではないかと考えています。また今後、従来の座学形式の講義はアクティブラーニング形式の講義にシフトしていくことでしょう。新しい大学教育の実現に向けて、Shureの技術・製品がよりよく発展し、新しい活用方法を提案してくれるものと期待しています」(山村氏)

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