ラインレベルとマイクレベルの違いとは?
ラインレベルとマイクレベルの違いがよくわからない?どうぞご安心を。そう思っているのはあなただけではありません。私たちがよく尋ねられるこの質問、シンプルに言うと、どちらもオーディオ信号の電圧レベルのことです。
ワイヤードまたはワイヤレスマイクは、マイクレベル入力接続、、ラインレベルには他のオーディオ機器が接続しています(楽器やスピーカーレベルの信号については後ほどお話しします)。それぞれの信号タイプにより電圧はかなり異なりますが、どのように異なるかを理解しておくのが大切でしょう。
マイクレベルとは?
マイクレベル、またはマイクロホンレベル信号とは、マイクロホンが音を収音した際に発生させる電圧のことで、通常はわずか数千分の1ボルトです。またこの電圧は収音する音のレベルと距離に応じて変化します。マイクレベルは4タイプのオーディオ信号の中で一番弱く、ラインレベルに到達させるにはプリアンプを使用した増幅が必要です。マイクレベルは通常-60〜-40 dBuの範囲です。 (dBuとdBVは音響機器に用いられる電圧の単位です。)
マイクロホンレベルをラインレベル信号まで引き上げるために使用する機器にはいくつかの種類がありますが、一般的なのはミキサーです。ミキサーなら複数の信号をまとめて単一の出力にすることができるからです。プリアンプとマイク-ラインアンプも同様の働きが可能で、シングルチャンネルかマルチチャンネルの機器から選ぶことができます。
ラインレベルとは?
ラインレベル信号は約1ボルトで、これはマイクレベル信号の約1000倍の強さにあたります。そのため、基本はこの二つの信号が同じ入力を使用することはできません。ラインレベル信号はプリアンプを通り、スピーカーを駆動するアンプへと送られます。
ラインレベルには二つのスタンダードがあります。
- -10 dBV、一般機器用(MP3やDVDプレーヤーなど)
- +4 dBu、プロ機器用(ミキサー卓やシグナルプロセッサーなど)
よく耳にするオーディオ信号の種類としては他に、楽器およびスピーカーレベルがあります。マイクレベル信号と同じく、楽器レベル信号(エレキギターやベースなど)にはラインレベルまで引き上げるためのプリアンプが必要となります。アンプ/スピーカーレベルになった信号はラインレベルよりもボルト数が高くなるため、安全な信号送出のためにスピーカーケーブルが必要となります。
レベルのマッチング
機材と入力が正しくマッチしていることはとても大切です。誤った接続をしても、サポートできる技術的なカバー方法は存在しません。例:
- マイクロホンをラインレベル入力に接続しても、マイクレベル信号はラインレベル入力に対して弱すぎるため、ほとんど音が出ません。
- ラインレベルのソースをマイクレベル入力に接続すると、ラインレベル信号はマイク入力の許容量をはるかに上回る強度があるため、音は大きすぎ、歪んでしまいます(注:ハイエンドのミキサーの入力および出力では、マイクとラインのレベルを切り替えることが可能です)。
使えるヒント
- マイクレベル入力は通常メスのXLRコネクターです。ラインレベル入力は通常、RCAジャック、1/4゛フォーンジャック、3.5㎜フォンジャックです。
- コネクターがぴったりはまるからといってレベルもマッチするとは限りません。入力の種類は通常、はっきり表示されています。
- マイク入力しかない機器(デジタルレコーダーやコンピュータなど)にラインレベル機器を接続したい時は、 アッテネータを使用して電圧を下げる か、ミュージックストアで購入できるダイレクトボックス(DI)を使用します。内蔵レジスタにより同じ効果を発揮するケーブルもあります。
- ワイヤレス受信機も、それぞれ出力レベルが異なります。これはShureの製品シリーズおよび他の大多数のブランドメーカーに当てはまります。各製品のユーザーガイドでその出力信号レベルを確認しましょう。マイクレベルは受信機によって20dBも変わる場合があります。