有線ハンドヘルドマイクロホンのクリーニング方法
これらは有線ハンドヘルドマイクロホンに限定したクリーニング方法です。
現在、マイクロホンの適切な洗浄方法や一般衛生除菌に関しまして、お客様より多くのお問い合わせをいただいておりますが、ご案内するクリーニング方法は、新型コロナウイルス(COVID-19)をはじめとする病原菌およびウイルス等の感染予防を完全に保証するものではありません。
弊社では、一般的な消毒目的で使用される成分や手順が弊社製品に与える影響について、引き続き検証および情報提供を実施していきます。下記に記載しました各事項は、現時点で弊社が把握している最新 情報に基づく内容になりますが、クリーニングによって生じた製品の故障や著しい劣化や変化は、 保証期間内であっても無償修理の対象外となることがございます。予めご了承ください。
マイクロホンクリーニングの禁止事項
はじめに、「禁止事項」 について説明します。継続的なクリーニングが将来的に製品性能や表面塗装に何等かのダメージを引き起こすかどうかを判断するためには、一定の検証期間が必要です。検証は現在も続いておりますが、現時点では次の点に注意してください。
ハンドル部分のクリーニング
- クリーニングの際は必ずマイクケーブルを外してください。
- 誤って水分や洗浄剤がマイクカプセル内に浸入することを防ぐため、グリルやウインドスクリ ーンは装着したままにしてマイクカプセルを保護します。
- 柔らかい布や毛先の柔らかい歯ブラシを用意して洗浄剤を塗布します。
- このとき洗浄剤は最小限の量を使用し、製品を洗浄剤に浸さないようにしてください。
- Shure本社において以下の洗浄剤をテストしました。
• 中濃度の中性洗剤(食器用洗剤など)を清潔な布に含ませ拭きとる
• Clorox® Disinfecting Wipes クロロックス 除菌シート*1 *1: 米 Clorox Companyの製品名称
• イソプロピルアルコール*2 *2: イソプロピルアルコールの繰り返しの使用により、塗料の剥離や変質など影響を及ぼす可能性があります。マイクロホンの音声出力には影響を与えないはずですが、塗装面を気にされる方は目立たない場所で先にテストしてください。 - クリーニングをするときは、マイクユニット内部に水分や湿気が残らないようご注意ください。マイクロホンカプセルに洗浄剤を直接塗布しないでください。可能であればマイクロホンを逆さまに持ち、マイクユニット内部から余分な液体が下に流れ落ちるようにしてください。
- XLRコネクター部に液体がたまらないようにしてください。下部にスロットなどがある場合は指で塞ぐか、一時的にテープで開口部を覆うようにして液体の浸入を防いでください。またはペーパータオルなどをXLRコネクター部に押し込み、余分な液体を吸収できるようにしてください。クリーニング後はそれを取り除いて、コネクター部を完全に乾燥させてください。
- マイクロホンにスイッチやボタンがある場合は、その部分は避けてクリーニングしてください。
- マイクロホンの表面部分が完全に乾いてから使用してください。
グリル部分のクリーニング
グリルとウインドスクリーンに関しては、可能であればスペア在庫を確保していただくことを推奨します。スペアを用意することで使用中の不測事態にも交換することが可能となり、使用中にもクリーニングを行い乾燥させることができます。
- マイクロホンからグリルを取り外してください。
- グリル内部のフォームウインドスクリーンを取り外します。状態によってはフォームウインドスクリーンがグリルに密着し取り外せない場合があります。ゆっくりと引っ張っても取り外せない場合は、フォームウインドスクリーンが付いたままの状態でグリル全体を洗浄することを推奨します。
- 毛先の柔らかい歯ブラシを使用して、水またはイソプロピルアルコールでクリーニングしてください。内部フォームウインドスクリーンが取り外し可能な場合は、グリル部分は中濃度の中性洗剤でも洗浄可能です。洗剤などの泡はフォームウインドスクリーン部分に残存しやすく、マイクロホンのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。グリルから内部フォームウインドスクリーンを取り外せない場合は、中性洗剤は使用しないでください。
- 内部フォームウインドスクリーンを水またはイソプロピルアルコールで洗浄します。(注意: この方法は、グリルから内部フォームウインドスクリーンを取り外せる場合のみ適用されます。なお、外部フォームウインドスクリーンのクリーニング方法については、次の手順をご参照ください。)
- 外部フォームウインドスクリーンの洗浄には、ぬるま湯または過酸化水素(オキシドール)以外は使用しないでください。外部フォームウインドスクリーンは、スポンジのように石鹸や液体洗剤が残留するため、完全にすすぐことは不可能です。またイソプロピルアルコールの使用はフォームウインドスクリーンの溶出を引き起こし状態変化の要因となります。外部フォームウインドスクリーンを誤ってぬるま湯または過酸化水素(オキシドール)以外で洗浄した場合は、新品と交換することをお勧めします。
- グリルとウインドスクリーンは完全に乾かしてからマイクロホンに装着してください。
注意:クリーニング後にマイクロホンの音声出力が通常より低くなった場合は、マイクロホン内部部品が十分に乾燥していない可能性があります。その場合は一旦使用をやめ、完全に乾燥させてから再度ご使用ください。