MXA910が企業のAV会議室の「見た目は良くとも音質が悪い」を覆す

2016年6月27日 MXA910が企業のAV会議室の「見た目は良くとも音質が悪い」を覆す

企業のAV会議は、見た目の雰囲気がよくても音環境がよくない場所で行われる場合が多々あります。ビデオ会議においてはしかし、照明、座席、プロジェクターなどに多くの予算をつぎ込んでも、まるで初期の国際電話のような音しか聞こえなければ、画面の向こう側にいる参加者には何の利点もありません。

多くの場合、そのソリューションはテーブルにつくすべての参加者から腕を伸ばした程度の距離にマイクを設置することです。しかし机にマイクを置くと、たとえそれがワイヤレスであっても室内の様子を雑然とさせてしまします。オーバーヘッドマイクロホンならその心配はありませんが、その使用には室内の音響設定を詳細に行う必要があり、設置にも費用がかかります。初期のアレイマイクロホンにもいくつかの利点がありましたが、テーブル上にどこか不自然に配置され、セットアップや構成に多くの時間がかかりました。

 

MXA910シーリングアレイマイクロホンとは

MXA910は新製品Microflex Advanceシステムに含まれる製品です。天井に取り付けられるため邪魔にならず、ほぼ視界にも入りません。従来のマイクロホンと異なり自在な収音コントロールが可能。マイクロホンの方向を物理的に変えることなく、狙いたい方向に向けることができます。実際に触れる必要すらありません。

MXA910はご使用のオーディオ会議プロセッサ、ビデオ会議コーデック、またはPCベースのビデオ会議ソフトウェアに接続でき、室内の見た目の美しさを損なうことなくすばらしいパフォーマンスを実現します。

その最大の秘密は最先端のアレイマイクロホン技術とShure IntelliMix® DSPセットの組み合わせです。IntelliMixはたくましいDSPセットで、ステアラブルカバレッジ技術(Steerable Coverage™:自在な収音コントロール)、オートマチックミキシング、エコーリダクション、イコライザーにより比類ないコントロールを提供します。

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アレイマイクロホンとは?

アレイマイクロホンは複数のマイクエレメントを特定のパターンでアレンジし、電子的に結合して構成されています。求める性能を得るためには、マイクエレメントのタイプ、数、レイアウトが重要な役割を果たします。またDSPも、従来のアレイマイクロホンのようにただすべてのマイクロホン信号を合わせてフェーズをコントロールするという以上の働きが求められます。

適切にアレンジされたマイクロホンと適切な信号処理により、音質は大きく改善します。まず、従来のマイクロホンよりも(ショットガンと比較してさえ)より狭い極性パターンが得られることにより、遠くにいる参加者の声でも室内のノイズに邪魔されることなく正確に収音できます。会議スペースすべてのエリアからの発言がはっきりと自然にかつ明瞭に聞こえるというわけです。

収音範囲の幅と位置も調整可能なため、マイクロホンの設定を室内のレイアウトや座席の並び方にあわせることができます。経営者が座る席に向けた狭い収音範囲でも、複数の発言者をカバーする広い収音範囲でも自在に設定可能です。

 

ブラウザベースのオーディオコントロール&オートマチック・ミキシング

MXA910が特別である最大の理由は、操作が非常に簡単だということです。

マイクから発言者までの距離や角度を特定するのではなく、ブラウザベースのソフトウェア上でカバーエリアをドラッグして調整します。三角法などは必要ありません。Shureではこれをステアラブルカバレッジ技術(Steerable Coverage™:自在な収音コントロール)と呼び、ローブ(個別収音パターン)を特定の位置に向け、収音する範囲を正確に表示することができます。セットアップ中のオートコンフィギュレーション機能も搭載し、その時の発言者にローブを向けることが可能です。

MXA910は一度に最大8つのローブを設定でき、それぞれ幅や方向を調整できます。そのため、1基のMXA910を会議テーブル上にマウントし、複数のローブをそれぞれの座席位置に向けたり、1つのローブで複数の座席をカバーしたり、ご使用のスペースに応じた設定が可能なのです。

8つのローブ(個別収音パターン)ということはオーディオ出力も8種類となり、これをオーディオ信号処理と接続することができます。また内蔵IntelliMixオートマチックミキサー用の9つ目の出力チャンネルもあり、誰かが発言すると、その発言場所に対する最適なローブを選択します。IntelliMix出力はミキサーの必要性を排除し、オーディオ入力が1つしかないビデオ会議ハードウェアに接続する際に最適です。

IntelliMixはエコーリダクション機能も内蔵しており、遠くの参加者がローカルのマイクロホンチャンネルを有効化しないよう防ぐことで音響エコーを低減させています。シングルチャンネルのエコーキャンセラーを持つコーデックのフロントエンドとしてきわめて効果的です。それぞれのオーディオチャンネルにはパラメトリックイコライザーも搭載され、室内の雑音をフィルタリングするなど例外的な音響の問題に対応できます。

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さらに2つの利点:目立たないデザイン&Dante™

MXA910はDanteデジタル・オーディオ・ネットワーキング・プロトコルを使って他のAVハードウェアと接続するため、このアレイマイクのテクノロジーを享受するためにこんがらがったケーブルに悩まされる・・・ということはありません。Danteは非圧縮のデジタルオーディオとスタンダードなPoE電源を1本のイーサネットケーブルで伝送することが可能だからです。Danteプロトコルならばオーディオとその他のネットワークトラフィックを遅延なしに共存させられるため、既存のネットワークを使用して同じ室内のコンポーネントに接続したり、施設内にオーディオ分配したりすることも可能です。(Danteを搭載していない機器を使用する必要がある場合は、DanteからAnalogに変換するオーディオインターフェイスもご用意しています)

標準的な天井グリッドにフィットするMXA910はまったく目立たず、視界を邪魔することがありません。室内インテリアに合わせての塗装も可能です。

ただし、天井は必ずしも理想的な場所ではありません。埃がたまりやすくなることなどがその理由です。そのために、MXA910はIEC 60529 IP5Xの防塵性能も備えています。また吊り下げ型シーリングアダプターは振動する場合もあるため、MXA910は振動アイソレーションを搭載しています。天井タイルの上の空間が空調に使用されている場合でも、MXA910は防火基準UL2043適合のFyreWrap® 防火ラップシステム内蔵のため空調スペースでの使用が認められます。ドロップシーリングのない部屋の場合は、MXA910を標準VESAマウント(プロジェクターと同様)に取り付けるか、あるいはワイヤーで吊り下げるとよいでしょう。

室内のインテリアを邪魔しない、目立たない(見えない)デザインで簡単に設定できるAV会議ソリューションをお求めの方に、MXA910は最適な製品です。