【徹底解説】Shure初のエコー・キャンセラー搭載DSPプロセッサーP300は、何が凄いのか?
一昔前まで、ビデオ会議システムを使った遠隔会議、というと大掛かりな専用ネットワーク設営や設備投資を必要とし、一部の大企業のみで使われてきました。しかし、現在では、個人のノートPCやスマートフォンさえあれば、いつでもどこでも実現できる一般的な会議手段として、急速に日本国内でも普及してきています。特に近年は、テレワークや働き方改革といった、勤務形態の多様性・自由度の高いオフィス環境をいかに実現するか、といった議論が活発になっており、その実現方法として、ビデオ会議・ウェブ会議は大きな注目を集めています。
SHUREが2017年に発売したP300 オーディオプロセッサーは、少人数打合せ用の会議室、ハドルルームなど小~中規模の会議運用に最適な非常にコンパクトな設計かつ、細かい技術的な設定は一切不要で誰でも簡単に使える高性能DSPを搭載しており、ビデオ会議におけるエコーやノイズといった音質の悩みを解決します。
P300は、SHURE独自のIntelliMix DSPアルゴリズムを搭載し、8チャンネルのエコーキャンセレーション(AEC)、ノイズリダクション、およびオートマチックゲインコントロールにより、高品質のオーディオエクスペリエンスを実現します。また、接続性に非常に優れ、会議室に備え付けのビデオ会議システムのほか、ノートPC、携帯電話など様々なプラットフォームに柔軟に対応しています。
今回のSHURE JAPAN BLOGでは、改めて、このP300の主要機能と、独自のDSP:IntelliMixについてご紹介します。
アコースティック・エコー・キャンセレーション(AEC)
会議室のアコースティックエコーを低減し、自然で相互作用的な会話を実現します。ビデオ会議をしていると、自分が話した声が、相手側に伝わった後に相手側のスピーカーにまた入力されてしまい、音声がループしてエコーが起こり、会議が正常に運営できないという状況があると思います。P300のアコースティック・エコーキャンセレーション(AEC)は、会議音声の品質を損ねることなく、エコーを効果的に低減し、よりクリアな音質での会議環境を提供します。
ノイズリダクション
音声と一緒にマイクに入ってしまったノイズのレベルを低減し、よりクリアで明瞭な音声を相手に伝えます。ビデオ会議において、おそらく最も多くの方が抱える問題であるノイズを圧倒的な精度で減らし、優れた音声通話を実現します。
オートマチックゲインコントロール
発言者の声量に応じてマイクロホンレベルをリアルタイムに調整します。同じ会議室の中に、声の大きい人、小さい人や、マイクの位置からやや遠い人、近い人がいた場合でも、常にマイクに入力された音量を適切なレベルに自動調整します。
マトリクスミキシング
P300のDante出入力、アナログ出入力、3.5mm入力といった豊富なI/O接続性の中から、任意の音声入力チャンネル、任意の出力先チャンネルを自由にを選んで、音声を送ることができるため、用途に合わせて様々なシステムに柔軟に対応することが可能です。
パラメトリックEQ
設定可能な周波数範囲内での信号のブースト/カットなど、周波数レスポンスの調整により音の特徴を調整します。声が高い方・低い方がいる場合や、音が反射しやすい会議室の場合など、状況に合わせて細かい調整をする際に有効となる機能です。
Shure独自のIntelliMix™オートミキシング技術は、クリアで了解度の高い音声を実現する独自のアルゴリズムを特徴としています。これらの機能は完全に自動最適化されるため、ユーザーが細かい設定や調整をする必要は一切なく、簡単に最適な音響性能が得られます。
NAT(Noise Adaptive Threshold)
マイクロホンをアクティブにするかどうかのスレッショルドを会議室内のノイズや会議音声のレベルに応じて自動的に調整します。これにより、マイクがほんの少しの音量でONになって不要なノイズを拾いすぎてしまったり、逆に、話者が話しているのにマイクがONになっていない、などの状況を防ぎます。
LMLO(Last Mic Lock-On)
最後にアクティブになったマイクロホンを、別のマイクロホンがアクティブになるまでオープン状態に保ちます。これにより、話者の発言の最後の部分が途切れる、などの状況を防ぎ、音声を明瞭に伝えます。
MaxBus
複数の話者の音声を同時に収音しながら、1つの音源に対してオープンにするチャンネルを1つに制限します。例えば、同時に複数の話者が話し出して、会話が伝わりづらくなってしまった場合でも、接続先の会議室には一人の音声しか届かないため、落ち着いて聞き直したり、もう一度話したりすることが可能で、より誤解がなくスムーズな会議を実現します。
IntelliMixモードには、ゲーティング、ゲイン共有、およびマニュアル・ミキシング・モードのほか、ステアラブルカバレッジ(Steerable Coverage™)技術を搭載したMicroflex Advanceマイクロホン専用のモードが用意されています。
色々とご紹介致しましたが、SHUREのP300 オーディオプロセッサーの性能の高さは、実際に試していただければ一瞬でお分かりいただるはずです。SHURE JAPANでは随時、製品デモンストレーション・勉強会などを受け付けております。
ご興味がございましたら、ぜひこちらまでご連絡ください。 contact@shure.co.jp