バックステージインタビュー: SHURE ワイヤレスで変わった“全体で魅せる”ための音作り

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バックステージインタビュー: SHURE ワイヤレスで変わった“全体で魅せる”ための音作り

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バックステージから、キュウソネコカミのライブPAを担当するサウンドエンジニアの藤井晃一氏にインタビュー。キュウソネコカミがSHUREワイヤレスを使用し始めてからのパフォーマンス、ライブ構成の変化を、ライブサウンドの要ともいえる部分を支える彼はどのように見て、感じてきたのか。また、どのようにサウンドマネージメントを進めたのかを語っていただいた。

バックステージから、キュウソネコカミのライブPAを担当するサウンドエンジニアの藤井晃一氏にインタビュー。キュウソネコカミがSHUREワイヤレスを使用し始めてからのパフォーマンス、ライブ構成の変化を、ライブサウンドの要ともいえる部分を支える彼はどのように見て、感じてきたのか。また、どのようにサウンドマネージメントを進めたのかを語っていただいた。

 

キュウソネコカミのライブでワイヤレスを使われるようになったキッカケを教えてください。

キュウソネコカミは、ちょっと特殊なバンドだと思っていて、例えばボーカル/ギターのヤマサキセイヤは、マイクを持ったまま、客席の方までどんどん移動してライブすることが多いんですね。そういう部分も含めて、お客さんとのコミュニケーションに重きをおいているし、そのパフォーマンス性を活かすには、ワイヤードでケーブルさばきが必要な場合は限界がありました。ケーブルがどこまで行けるんだろうかとか懸念するよりも、それを無くしたほうがパフォーマンス力が上がるんじゃないかなと思い始めていた時期にSHUREのワイヤレス機材に出会って、2014年の夏ぐらいから使用し始めました。

 

機材構成とワイヤレスを使用してからのパフォーマンスの変化を教えてください。

ヤマサキセイヤのボーカルにはBLX24/B58を、オカザワカズマのギター、カワクボタクロウのベースに関してはGLXD16ギターペダル型デジタルワイヤレスを使用しています。特にGLXD16ですが、昔のイメージからすると、『ワイヤレスは音が劣化する』っていう印象があったんですね。でもこの機材は音を出した時に、全然劣化が無いどころか、更に音質が上がる部分もあって。中でもベースに関しては、サウンドの部分でワイヤレスを使い出してから変わった気がしますね。GLXD16を通すと、ベースとしての鳴りの欲しい部分が強調されて、タクロウ本人もGLXD16を使ったほうが演りやすくなったって言ってましたね。それはすごい発見でした。

パフォーマンスや動きの部分に関しても、やはり今まではセイヤとキーボード/ボーカルのヨコタシンノスケの二人が目立つことが多かったんですが、ギターとベースもワイヤレスになった事によって、例えばお互いがクロスして動いたり、動ける範囲が広がりました。お客さんの目線もその2人にも行くようになって、ライブとしての見栄えはスゴく良くなりましたし、音的にも2人をフィーチャー出来るポイントが増えたので、それを際立たせるようなPAも出来るようになりましたね。

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ワイヤードからワイヤレスに変える事への不安はありましたか?

音の劣化と干渉ですね。ただ先ほど話した通り、使用してみて音の劣化は全く無く、干渉も起きていません。オーディエンスの携帯やWiFiなどのネット回線など、色んな電波が飛び交う大きい会場でのライブは正直不安で、特に夏フェスは大丈夫かなと思ってましたが、2014年に出たフェスは全部ワイヤレスで回ったんですが、そういったトラブルはなかったです。
ボーカルはよく客席に行くんですが、コードが届くところまで行けなかったのが、ワイヤレスになってからはライブハウスを出てしまったらどうしようと思うぐらい動けるようになってしまって(笑)。ステージから相当離れた所までマイクを持っていっても、干渉なくクリアに音が届きました。

 

渋谷O-EASTのライブでも、二階席の近くまで動き回った事に衝撃を受けました(笑)。それでも電波は大丈夫でしたね。またオーディエンスの上を転がりながら進んで行ったので、機材に対する衝撃も心配だったんですが、そういった部分も問題なく進みましたね。

SHURE製品は、特にマイクなんですが、壊れたことがないっていう、信頼性が僕の中でスゴく高かったんすよね。キュウソネコカミは、アグレッシブなライブバンドなんですごく汗をかくし、それに対応出来る耐久性も必要なので、そういったポイントもSHURE製品を選択した理由になりますね。またBLX2/BETA58A送信機は軽いので、激しいパフォーマンスの場合でも本人も持っててもストレスがないと思います。

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マイクヘッドにBETA 58Aを選んだ理由を教えてください。

自分自身、最初に持ったのがSM58なんですが、Shureのマイクは人の声として違和感のない、一番耳に馴染む音が出ると思うんですね。今回ワイヤレスのマイクでBETAを選んだのは、ボーカルとして声を前に出しながらも、同時に艶が欲しかったからです。BETA 58Aはパワーもあるんだけど、歌詞や、伝えたい言葉がしっかり届くっていう印象があって。ワイヤレスだと、楽器と同じように音質の心配もあったんですけど、声も言葉もしっかり聞こえるので、違和感なく使えています。

 

最後にワイヤレスを導入してから一番良かった点はなんですか?

ボーカルも、ギター・ベースもワイヤレスになったことでよりバンド全体で魅せられるライブができるようになったと思います。ただ移動できる距離が長くなりパフォーマンスの幅が広がって嬉しい半面、ボーカルがどこまで行ってしまうんだろうと、ちょっと心配です(笑)。

 

オカザワカズマ(G)のギターアンプの上に置かれたGLXD1。最大16時間使用可能なリチウム・イオン電池を採用し、15分の充電で約90分の使用が可能。またLINKFREQという機能では、WiFiやBluetoothな どの電波がある場合に、その帯域を自動的に回避。堅牢なメタルボディで万が一落としても安心。

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カワクボタクロウ(B)のエフェクターボードにセットされたギターペダル型のGLXD6。受信機側に高精度のクロマチック・チューナーを内蔵。表示はストロボかニードルが選べる。送信機・受信機共に堅牢なメタルボディ。

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ヤマサキセイヤ(Vo, G)が使用するワイヤレスマイクのBLX2/BETA 58A。プロ品質のBETA 58A ボーカルマイクロホンで、明瞭な音を再現。-10 dB ゲインアッテネーションが あり、軽量かつ堅牢な構造。最大 90mの動作範囲で自由なワイヤレス接続に対応(使用環境によって異なる)

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BLX4 ワイヤレス受信機 ステージ脇、モニター卓の横に置かれたBLX4。セットアップと操作が簡単かつ容易なBLXはワンタッチで操作できる QuickScan 周波数選択で、最良の使用可能な周波数を素早く検出できる。

 

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藤井晃一氏 ライブサウンドエンジニア

2008年、神戸のライブハウスで音響エンジニアを始める。2011年からフリーランスのエンジニアとして活動。

現在担当しているバンド

キュウソネコカミ、グッドモーニングアメリカ、SAKANAMON、Suck a Stew Dry、東京カランコロン、BriantheSun、ミソッカス、N’夙川BOYS、