よくある質問(FAQ) ワイヤレス編
“ワイヤレスは設定や調整などが難しい” “適切に使えているか不安” などと思われている方も多いのでは?今回はShure JapanのウェブサイトのFAQに寄せられたワイヤレスに関する質問のうちアクセス数の多いものをピックアップしました。これで悩みも解決されるかも!
“ワイヤレスは設定や調整などが難しい” “適切に使えているか不安” などと思われている方も多いのでは?今回はShure JapanのウェブサイトのFAQに寄せられたワイヤレスに関する質問のうちアクセス数の多いものをピックアップしました。これで悩みも解決されるかも!
ワイヤレスマイクロホンで十分な音量が得られない
質問:SM58マイクロホンヘッド付きのShureワイヤレスシステムを使用していますが、マイクロホンを口にかなり近づけて大声を出さないと十分な音量が得られません。別のマイクロホンが必要でしょうか。
回答:原因は、マイクロホンヘッドではなく、ワイヤレス受信機の出力と出力先のレベルが適合していないことにあります。これはよくある問題であり、簡単に説明できます。多くのワイヤレスマイクロホンシステムの出力レベルは「マイクレベル」です。つまり、SM58のようなワイヤードマイクロホンと同等の出力レベルであるということです。一般的なマイクレベル出力は1~3 mVです。マイクレベル信号では、AUXレベル(100 mV)またはラインレベル(1 V)入力を十分に駆動できません。マイクロホンを口にかなり近づけて大声を出せば、出力レベルが大幅に上がるため、正常に機能します。対策として、以下の2つの方法があります。
1) ワイヤレス受信機を出力先機器のマイク入力に接続する。
2) 出力先にマイク入力がない場合、ワイヤレス受信機の出力をShure SCM268またはSCM262といったミキサーに接続し、ミキサーによって音声レベルをマイクレベルからAUXレベルまたはラインレベルに上げる。 Shureミキサーの代わりに、マイクロホンプリアンプを使用することもできます。
ワイヤレスマイクの混合使用について
質問:現在、SHUREのBLX24/BETA58を1本と、GLXD24/SM58を2本使っています。(以前ライブさせて頂いた会場では同時使用可能でした)その状況で、プラスしてSVX24/PG28を使用することは可能でしょうか。ライブ会場にもよると思うのですが周波数の混線などが起きるのではという疑問でした。ご回答宜しくお願い致します。
回答: ご利用いただいておりますShureワイヤレス・BLXシリーズ製品の運用周波数帯は800MHz帯(B帯)と呼ばれるもので、もう一方のGLX-Dシリーズ製品は2.4GHz帯を利用して運用する製品のため、互いに干渉することがありません。しかし、同じ800MHz帯製品であるBLXワイヤレスとSVXワイヤレスを同一空間で運用すると、BLXとSVXの間には互換性がないため、同一帯域の電波を使用してしまうことにより互いに電波干渉が起こります。
もう1波、現在お持ちのものに追加したい場合には同一のBLXワイヤレスシリーズ製品を加えてください。同一シリーズ製品であれば、複数チャンネルで使用する場合の設定チャンネルプランが予め組まれているため、適切なチャンネル設定を行うことで、干渉を起こすことなく運用が可能となります。
BLXワイヤレス製品の最大同時運用可能チャンネル数は6ですので、最大であと5本のマイクを追加することが可能です。
ワイヤレスギターシステムでのエフェクターの使用方法
質問:Shureのワイヤレスギターシステムの購入を検討中です。1つ気掛かりな点は、このギターシステムでどうエフェクターを使用すればよいかということです。9種類のペダルエフェクター(主にコンパクトエフェクター)を使用していますが、システム全体をどう構築すればよいでしょうか。また、必要な時にエフェクターをどうかければよいか等についても教えてください。
回答:通常は、ギターの出力をワイヤレス送信機の入力に接続し、送信機とワイヤレス受信機をワイヤレス接続し、受信機の出力を最初のペダルエフェクターの入力に接続し、最後のペダルエフェクターの出力をギターアンプの入力に接続します。プレイヤーによっては、フロアペダルではなくラックマウントエフェクターを使用しています。
ただし、この構成には1つ問題があります。受信機の音声出力はギターの音声出力と電気特性が異なるため、ワイヤレスでのギター接続とケーブル接続ではペダルエフェクターの音質が変わる可能性があります。
送信機の前にエフェクターを挿入してはなりません。送信機が破損することはありませんが、音質が大幅に低下する可能性があります。
アンプを含め、ギターのセットアップ一式をShure販売店に持ち込んで、ワイヤレス接続とケーブル接続の音を聞き比べてみることをお勧めします。ワイヤレス接続の音に満足できるかどうかは、実際に耳で確かめるしかありません。
簡易スピーカーとワイヤレスマイクの接続
質問:保育園で簡易スピーカーにワイヤレスマイクのSVX24/PG28を使用したいと思ってます。スピーカー側がフォンジャックになっていますが、使用可能でしょうか?
回答:SVXワイヤレスレシーバー「SVX4」のスピーカーと接続するための音声出力は、バランス接続のXLR3ピン、およびアンバランス接続のフォーンジャックの2タイプが装備されています。お持ちの簡易スピーカーというのはパワーアンプ内蔵のスピーカーと想像されますが、一般的な仕様であれば、フォーンジャックにマイクロホン入力ができると思われます。よって、SVX4背面の「Mic/Line」レベル切り替えスイッチをMic側に切り替え、別売りのXLRメスコネクターとフォーンプラグが付いたマイクケーブル(Shure C20AHZ相当)、あるいは両側にフォーンプラグの付いた楽器用ケーブルにて接続可能です。
お手持ちの簡易スピーカーの仕様によっても異なりますので、ご不安がある場合にはShureワイヤレスマイク取り扱い店にて購入前にご確認ください。
ワイヤレス受信機のスケルチとは?
質問:ワイヤレス受信機に搭載されているスケルチ機能とはどういう機能ですか。
回答:受信機が正しく動作するにはスケルチと呼ばれる回路が重要です。この回路は、希望の電波を受信していない時に受信機のオーディオ出力をミュートして無音にする機能を持ちます。
希望の電波が途切れると(マルチパスドロップアウト、電波到達エリア外、送信機の電源断といった原因が考えられます)、受信状態のままの受信機では別の信号やバックグランドの無線ノイズを拾ってしまう可能性があります。通常、これらはホワイトノイズとして聞こえ、希望する送信機からのオーディオ信号よりも大きな音となります。
旧式のスケルチ回路は電波信号のレベルによりコントロールされるオーディオスイッチで、その切り替えは固定、あるいは手動によりスレッショルドレベルが設定されていました。そして受信した信号の強度がこのレベルを下回ると受信機の出力がミュートされます。スケルチレベルは、バックグランドの電波ノイズレベルをほんの少し上回るか、希望の信号が許容できなくなり始めるところに設定するのが理想的です。スケルチレベルの設定を高くすると、受信機のミュートを解除するための信号強度も高くある必要があります。受信信号の強度は送信距離が長くなるほどに弱くなりますので、スケルチ設定を高くすることはシステムの動作範囲を狭めることになります。
洗練されたスケルチ回路のひとつとして「ノイズスケルチ」があります。これは、不要な電波ノイズから生じる音の中には、通常の音声信号に比べ高い周波数のエネルギーが多く存在するという性質に基づくテクニックです。ノイズスケルチ回路は、受信した信号の高周波エネルギーをスケルチ調整による基準値と比較します。この方式では、スケルチコントロールが受信機のミュートを解除するのに必要な信号の質(SN比)を決めています。もし希望の信号が途切れたとしてもノイズがありそうにない場合には低めたスケルチ設定での運用が可能となります。
さらに洗練されたものとしてトーンキースケルチがあります。受信機が希望の信号かどうかを判別できるように、送信機から可聴域を超えた(ないし、ほぼ可聴域外の)トーンをオーディオ信号に重ねて送ります。受信機は、十分な強度を持つ電波でトーンキーを検知できた場合にのみミュートを解除します。これにより、もし同じ周波数に干渉波(トーンキーを有しない)が存在する状態で希望する送信機からの信号が途切れたとしても、受信機からノイズが発することが防止されます。
もうひとつのトーンキースケルチの機能として、送信機のトーンキー回路が電源のオン・オフ時に時間差を与えるようにされているため、送信機の電源スイッチの操作ではノイズを生じることがない点があげられます。
送信機の電源をオンにすると電波は直ちに発射されますが、トーンキーは少し遅れて発信されることで、電波信号が安定するまで受信機はミュートのままとなります。これにより電源投入時のノイズは遮断されます。送信機の電源をオフにすると、トーンキーが直ちに停止され、受信機がミュートとなり、送信機は少し送れて電源が切れます。これにより電源切断時のノイズを隠すことができるので、ミュートスイッチは不要となります。さらに、トーンキー信号は送信機の情報を受信機へ送ることにも利用されます。これには電池残量、送信機のオーディオゲイン設定、送信機の種類、送信機の送信出力といった情報があります。