ギターに最適なマイクの選び方
アコースティックでもエレキでも、レコーディングスタジオでもライブコンサートでも、ギターのマイキングをする際には、考慮すべき要素がいくつかあります。Shureのこのガイドでは、ギターに最適なマイクロホンを選ぶ際に留意すべきことについて説明します。
ギターをマイキングする際に、楽器のリアルなサウンドを収音するため、あるいはトーンを全く違うものに変えるために、さまざまな選択肢を試すことができます。エレキギターとアコースティックギターにおすすめのマイクロホンをお探しであれば、この記事でお教えします。
クラシックギターのあらゆるニュアンスをとらえる、精密に設計されたコンデンサー型マイクロホンから、パワフルなギターアンプの力に耐えられる頑丈なダイナミックマイクまで、Shureがあなたのニーズに応えるマイクを用意しています。
アコースティックギターに最適な2本のマイク:
- PGA81カーディオイドコンデンサー型楽器用マイクロホン
- SM81コンデンサー型楽器用マイクロホン
エレキギターに最適な2本のマイク:
- SM57ダイナミック型楽器用マイクロホン
- KSM313/NEデュアルボイスリボンマイクロホン (日本未発売)
ダイナミック、リボン、コンデンサーの違い
ギター用に一般的に使用されるマイクロホンは、ダイナミック、リボン、そしてコンデンサーの3種類です。これらのマイクはすべて、単体で優れた効果を発揮しますが、組み合わせて使うことで、選択肢が広がります。
ダイナミックマイクロホン
ダイナミックマイクロホンは、エレキギターキャビネットをマイキングする際の標準的な選択肢です。高い音圧レベルを処理できるほか、高振幅もとらえられるため、アグレッシブな音源を「滑らか」に収音できます。ダイナミックマイクロホンの周波数特性はかなり狭く、顕著な中音域のフォーカスで、エレキギターの音質をうまく補完します。
リボンマイクロホン
リボンマイクには少し重みと深みがあります。一般的に、リボンマイクロホンは、ダイナミックマイクロホンおよびコンデンサーマイクロホンと比べて少し暗い感じになる傾向があります。リボンマイクロホンは滑らかで、尖った音のエッジをソフトにする融通が利きます。ギターのサウンドを、アンプがある室内にいるかのように自然にすることができます。
このマイクでは、sweet spot (一番当たりがいい個所) を見つけることが極めて重要です。低域から低中域に重みを持たせることができるほか、密度の高い場所に配置する場合に最適な全体的にスリムなボディであるという特長があります。
リボンマイクロホンは、ギターキャビネットのマイキングにも適しています。
コンデンサーマイクロホン
コンデンサーマイクロホンの特徴は、周波数特性が広く、ノイズが低いということです。このマイクは、厳密でクリアな音を再現するという傾向があります。落としたりぶつけたり、ダイアフラムに対して大きすぎる音源を収音したり、厳しい気象条件下で保管したりしないようにしてください。
一般的に、コンデンサーマイクはアコースティックギターに適しています。
アコースティックギターのマイキングの方法
アコースティックギターは比較的小さな音源であるため、通常は1本のマイクロホンで良好に収音できます。アコースティックギターの音の大部分は、サウンドホールとギターの上部から発せられます。マイクロホンをギターの前に配置することで、全体的なサウンドを向上できます。
このサウンドは、マイクロホンのサウンドホールからの距離と、ギター上部に対する向きに応じて変わります。マイクがサウンドホールに近いほど、低音と全体的な音量が大きくなります。マイクがサウンドホールから離れるほど、ソフトで小さな音になります。
近距離では、近接効果によって低音応答が増強されます。よりバランスのとれたサウンドを収音したい場合は、ギターのボディとネックが接するところにマイクを向けることをおすすめします。
フルサイズのマイクロホンをスタンドに設置して、望むサウンドをとらえることができます。別の方法としては、ミニチュアマイクロホンを、クリップまたはホルダーを使用してギターの上(または中)に直接取り付けることです。このクリップ(またはホルダー)がマイクとギター間の距離を一定に保つため、ワイヤレス送信機と併用した場合に、演奏者は自由に動くことができます。いずれの場合も、マイクロホンがギター演奏者の邪魔にならないように、配置に注意する必要があります。
アコースティックギター向けのおすすめのマイクロホン
Shure PGA81は、目立ちにくいプロ品質のコンデンサー型楽器用マイクロホンです。アコースティック楽器や打楽器などのさまざまな用途、環境下での収音に対応します。PGA81は、他のShureマイクロホンと同じ耐久性と性能を備え、カーディオイドカプセルが特長となっています。
Shure SM81は極めて頑丈なコンデンサーマイクで、ハンドルに2つのスイッチを搭載し、詳細な調整が可能となっています。一方のスイッチでは、周波数特性を調整してウインドノイズ、室内の雑音を低減したり、近接効果を調整したりできます。もう一方のスイッチでは、周波数特性を変更することなく信号レベルを下げて、ギターキャビネットやマイクが近くに設置されたドラムなどの音量の大きい楽器によるマイクロホンのオーバーロードを防ぐことができます。
エレキギターのマイキングの方法
アンプを通じたエレキギターのマイキングでは、もう少し試行が必要になります。覚えておくべき重要な点は、マイクがスピーカーの中心に近くなるほど、音が明るくなるということです。マイクをスピーカーの中心から遠ざけると、低音が大きくなります。
マイクがアンプの中心に直接向けられている場合、明瞭性が高まります。マイクを中心からずらすと、音がより拡散されます。
アンプからマイクへの距離に関して、マイクロホンが離れるほど、室内にいるような音質になります。
エレキギター向けのおすすめのマイクロホン
世界でも人気の高いダイナミックマイクロホンであるShureSM57は、明瞭性が極めて高いため、エレキギター、スネアドラム、キックドラムなどに最適です。このカーディオイドダイナミック型楽器用マイクロホンは、アンプ接続楽器のサウンドをクリアに再現します。フラットなグリルにより、マイクをアンプの近くに配置できます。
KSM313/NE(日本未発売)は、2つの面で全く異なる音質の指向性を備えます。前面は、温かみと厚みがあり、よりリッチなサウンド。背面は、より開放的で明るいサウンドです。KSM313は耐久性の高いリボン要素を採用し、極めて大きな音量で優れた弾性を発揮します。
Shure:マイキングのニーズに対応する最適なチョイス
マイキングしようとしているのがドラマーでも、合唱団のような大枠でも、Shureはあらゆるサウンドのニーズに対応します。マイクをご利用いただくために、お問い合わせください。
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