【専門学校】神田外語学院様 | オンライン授業でも教室にいるかのような没入感を実現した未来型の教室 | Microflex Advance MXA910、IntelliMix P300
“ 本当に凄い収音性能だなと感心しています。教室内の小さな声まで聴こえてしまいますから ”
専門学校神田外語学院 総務部 ゼネラルマネージャー 松平健二氏
お客様プロフィール
◎ 導入事業者
学校法人佐野学園 専門学校神田外語学院
業種:教育機関
https://www.kandagaigo.ac.jp/kifl/
◎ 納入事業者
電子システム株式会社
http://www.densys.co.jp/
◎ 導入場所
導入場所:専門学校神田外語学院本館203教室
竣工日:2021年4月16日
課題
開校から半世紀以上の歴史を持ち、外国語系専門学校としては国内最大規模を誇る神田外語学院。同学院は新型コロナウイルスの問題を受けて、昨年からハイブリッド授業を本格的に取り入れましたが、授業を行っていく中で、オンライン授業には教室のような雰囲気が無いことが課題として持ち上がりました。そこで同学院は、それまでリスニングルームとして使用していた部屋を利用し、ハイブリッド授業に特化した教室に改修することを計画。オンライン授業でも教室にいるような没入感が感じられる教室を目指し、映像/音響システムがプランニングされました。
ソリューション
新教室には教室全体を俯瞰できるように、広角/リモートコントロール対応のカメラ2台を天井の中心と、斜め後方にそれぞれ設置。大型のホワイトボード兼スクリーンは、教室に入って正面と左側の2面に取り付けられ、2パターンで授業が行える環境が整備されました。そして収音用マイクには、教室内の音を満遍なく収音することを狙ってMicroflex Advance MXA910を選定。MXA910は、天井のほぼ中心に天吊り型で設置され、主にエコーキャンセラー用としてShureのマイクロホンに最適化されたIntelliMix P300も導入されました。
効果
この春に改修工事が完了し、ハイブリッド授業で使用するのはこれからとのことですが、専門学校神田外語学院 総務部 ゼネラルマネージャーの松平健二氏と同学院 総務部 アシスタントゼネラルマネージャーの今岡幸美氏は、MXA910の収音性能を高く評価。音に関しては、目標としていた“教室にいるような没入感”を達成できたのではないかと語ります。
「音はクッキリしていますし、本当に凄い収音性能だなと感心しています。大きすぎず、音の粒が揃っていて、聴き取りやすい。映像はまだまだですが、音に関しては理想に近いのではないかなと。まるでカクテルパーティー効果のように、教室内の小さな声まで聴こえてしまいますからね」(松平氏)
「少し前にインドネシアの大学や新潟の高校との交流授業で使用したのですが、学生の反応を見ていると想像以上に音が届いているんだなということが分かります。3回にわたって実施した教職員向けのワークショップでも、映像を見なくても誰が喋っているかハッキリ分かったので、それには感動しました。先生たちも“凄くよく聴こえる”という反応でしたね。映像に関しては、まだまだ高い理想がありますので、もう少し追求していきたいなと思っていますが、音の臨場感には大変満足しています」(今岡氏)
スペシャルインタビュー
MXA910の高い収音性能によって、没入感のあるオンライン授業を実現した専門学校神田外語学院様。今回の新教室開設の経緯とMXA910の印象について、専門学校神田外語学院 総務部 ゼネラルマネージャーの松平健二氏、同学院 総務部 アシスタントゼネラルマネージャーの今岡幸美氏、システム・インテグレーターである電子システム株式会社 首都圏支社 営業部の志村祐輔氏にお話を伺いました。
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● 国内最大規模の外国語系専門学校、神田外語学院
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——— はじめに専門学校神田外語学院様について簡単にご紹介いただけますか。
松平 本学は1957年に設立されたセントラル英会話学校を前身とする専門学校で、1964年に現在の専門学校神田外語学院という名称になりました。
学校教育法の改定に伴い、1976年に外国語専門課程の専門学校として国から認可を受けますが、これによって職業専門学校として広く認知されたのではないかと思います。開校時から校舎はすべて神田駅周辺にあり、現在校舎は10棟あります。教職員数は約300名、そのうち外国人の教員数は100名以上、学生は約2,000名在籍しています。この2,000名という学生数は、外国語系の専門学校としては国内最大規模になります。
今岡 50年以上の歴史の中で、四年制大学の神田外語大学や法人研修を専門とした神田外語キャリアカレッジ、児童英語の神田外語キッズクラブといった関連の教育機関も増えていきました。また、神田外語学院自身も、英語だけでなく他の外国語のコースをスタートさせたりと、時代のニーズに合わせて変化しています。現在は外国語教育と職業訓練を組み合わせた、国際エアライン科や国際ホテル科といったビジネス系のコースも開講しています。
——— 学生の卒業後の進路は様々ですか。
松平 現在は大学に編入する人が半分、就職する人が半分という感じでしょうか。就職先は様々ですが、最近は航空業界、観光業界、旅行業界といったホスピタリティ系の企業が増えていますね。入学時点でそういった進路を考えている学生が多いので、当然出口としてそういう就職先が多くなっています。一方で、高校時代に勉強をやり足りなかった、好きな英語をもっと伸ばしたいと入学してくる人も毎年一定数いますね。高校の延長で、本学で英語を学びながら、将来をもう少し模索したいという人。そういう学生は卒業後、小売業や運輸業に就職したり、あるいは大学に編入したりいろいろです。
神田外語学院 総務部 ゼネラルマネージャー 松平健二氏
——— 他の外国語系の専門学校と比較した専門学校神田外語学院様の特色というと?
松平 2009年に『VISTA(Village of Innovative Study and Training Access)』という自立学習施設を設置し、『HELP(Hybrid English Learning Program)』という共通科目をスタートしたのですが、これによって他校と大きな差別化ができたかもしれません。
今岡 今の時代、英語を喋れるだけでは就職できませんし、教育機関としても、英語を喋れるようにするという目標だけではダメだろうと。これから社会に出ていく皆さんに、外国語教育プラス何ができるのかということを考え、設置したのが『VISTA』なんです。『VISTA』は、“勉強の仕方を勉強できる”ユニークな施設で、学生は自分に合った学習方法を確立することができます。一方の『HELP』は、インターネット上の仮想空間と教室、2つの空間を使って英語を学ことができるプログラムです。この1〜2年でオンライン授業が普及しましたが、我々は十数年前からそう遠くない将来、オンライン学習やオンライン試験が当たり前になると考え、『HELP』というプログラムをスタートしました。バーチャルで海外に行って英会話を実践するとか、仮想空間を取り入れた学習プログラムとなっています。
松平 世の中の18歳人口が少なくなれば入学者の数も当然減るわけですが、『VISTA』を開設して『HELP』を導入したあたりから学生数が盛り返してきた感じがします。実際、志願者に志望理由を尋ねると、『VISTA』と『HELP』に魅力を感じたと言う人が多いですね。
——— 最近力を入れて取り組んでいることがあればおしえてください。
今岡 デジタル化には本学全体で力を入れて取り組んでいます。学習支援システムをいち早く取り入れましたし、すべての学生にはApple iPadを持たせました。
松平 またここ数年、課外講座もかなり増えました。社会学系の大学に編入したいという場合、我々のカリキュラムだけでは足りないので、それを課外講座で補ったりしているんです。それとTOEIC対策のカリキュラム強化はずっと続けています。その甲斐あって、ここ数年学生の平均スコアはどんどん上がってきています。
今岡 専門学校なんですが、TOEICの平均スコアが大学よりも良かったりするんです。これは本学のアピールポイントになっていますね。
松平 語学系の四年制大学の平均スコアは550点くらいですが、本学では1年生から2年生に上がるタイミングでの平均スコアが大体それくらいなんです。語学を専門にしている学校であれば、それくらいは当たり前と思われるかもしれませんが、企業ではTOEICの平均スコアが基準の一つだったりしますので大変重要です。
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● オンライン授業でも教室にいるかのような没入感を実現した未来型の教室
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——— 神田外語学院様は先頃、ハイブリッド授業に対応した新しい教室を開設され、そこにMXA910を導入していただきました。新しい教室を開設された経緯をおしえていただけますか。
松平 コロナ禍でハイブリッド授業を本格的に開始したわけですが、実際に行われている授業を見ると、教室で講義を受けているような雰囲気が感じられないなと思ったんです。1対1で話している分にはそれほどでもないのですが、1対複数になったときに何か寂しい。なぜ寂しく感じるか分析してみたのですが、自然と耳に入ってくる他の学生の喋り声や何気ない会話が無いというのが大きいんですよね。教室で授業を受けていれば、次回のテストの日程とか、誰々が試験に合格したといった話が洩れ聞こえてくると思うんですけど、自宅でオンライン授業を受けている人はそういった情報が遮断されてしまっている。そういった何気ない会話や教室の雰囲気を、どうにかしてオンライン授業を受けている学生に届けられれないかと考えたんです。
今岡 音だけでなく、目に入る情報もそうですよね。実際に教室で授業を受けているときは、ホワイトボードや教員の顔をずっと見ているわけではありませんし、自分の手元を見たり、脇の学生の方を見たりする。自分の好きなところに目線を向けられる状態というのが一番自然だと思うんです。
本学は3学期制なのですが、昨年の9月に2学期が始まったタイミングで、半数の学生は教室、半数の学生は在宅というハイブリッド授業をスタートしました。しばらくは学生や先生の反応を見ていたのですが、もう少しオンラインに力を入れた方がいいのではないかという話になり、ハイブリッド授業に特化した新しい教室を開設することになったんです。ただ、本学は講義型の授業が中心の大学とは異なり、実技型の授業もたくさんありますので、オンライン授業への完全な移行を目指しているわけではありません。あくまでも教室での授業というのがベースにあり、その上でハイブリッド授業を追求していきたいと考えているんです。
神田外語学院 総務部 アシスタントゼネラルマネージャー 今岡幸美氏
——— オンラインで授業を受けている学生にも、実際に教室にいるかのような雰囲気を伝えるというのが新しい教室の一番のコンセプトですか。
今岡 そうですね。教室にいるような没入感、臨場感のある授業を、オンラインでも行える教室というイメージでしょうか。ただ、具体的にどのように実現したらいいかは分かりませんでしたし、コンセプトをまとめるのにも時間がかかってしまったので、電子システムさんには無理な相談をしたのではないかと思います。映像に関しては、ペット用の見守りカメラが機能的に近いのではないかと思ったので、“同じようなカメラで教室にも使えそうなものはありませんか?”と相談したりしましたね(笑)。
電子システム 志村 神田外語学院様からの相談を受けて、仮想空間をいかにリアルに近づけるかということを考えながら、システム全体をプランニングしていきました。まずカメラに関しては、ホワイトボードを含め教室全体をしっかり捉えられる広角のものを選定し、教室の中心と斜め後ろに設置しました。カメラはリモートコントロール対応で、複数のプリセットをボタン1つで切り替えられるようになっています。大型のホワイトボード兼スクリーンは、学生が教室に入って正面を向いたパターンと、左側を向いたパターンの2パターンの授業があるということで、直感的に操作できるタッチ機能を搭載した、プロジェクターを2台設置しています。
ただ、没入感や臨場感を実現する上で、カメラの映像は大切ではあるのですが、やはり一番重要なのは音なんです。音が良くないと臨場感が出ませんし、言葉が聴き取れないというのは、オンラインで授業を受けている学生にとってかなりのストレスになる。そこで今回は収音性能に優れたShureさんのMXA910を薦めさせていただきました。最初、会議室用にご提案させていただいていたのですが、その収音能力の高さは今回の教室にぴったりだろうということで、薦めさせていただいた次第です。
——— 事前にテストを実施されたのですか。
電子システム 志村 音というのは実際に聴いていただかないと伝わりませんから、Shureさんにご協力いただいて、教室に持ち込んでテストを行いました。テストではMXA910と、リニア・アレイ・マイクロホンのMXA710の2機種を聴いていただきました。
松平 テストは凄く楽しかったですね(笑)。教室のいろいろな場所で喋ってみたり、指向性を変えていただいたりして、その収音能力は確かに凄いと思いました。これだったらいいのではないかと。
今岡 マイクを天井に取り付けた場合、その下にいる学生が何かカチャカチャ音を立てたら先生の声が聴こえづらくなってしまわないかとか、いろいろなテストをしていただきました。
電子システム 志村 先生の声だけにフォーカスするのであればMXA710も良かったと思うのですが、今回は教室全体を収音するという目標がありましたので、8つの指向性を持たせることができるMXA910に決まりました。
電子システム株式会社 首都圏支社 営業部志村祐輔氏
——— MXA910は、天井の中心に設置してあるのですか。
電子システム 志村 厳密には真ん中ではありませんが、教室全体を収音するため、ほぼ中心に設置しました。設置にあたっては、天井埋め込みにしてしまうと、収音の面で梁に干渉してしまう恐れがあり、梁に設置しました。しかし梁に取り付けることによって、ボルトなどが見えてしまうと、見栄え的に良くありません。そこでShureさんからご紹介いただいたVESA規格に準拠した金具を使い、天吊り型で取り付けました。またハイブリッド授業ですと、音声が回ってしまうことも想定されましたので、主にエコーキャンセラー用にP300も設置してあります。他にもオーディオプロセッサーはありますが、P300はShureさんのマイクロホンに最適化された製品ですし、今回は音質にこだわってセットで使うことにしました。いろいろな機器が設置されていますが、電源を入れてUSBにパソコンを接続すれば使用できるシステムになっています。
今岡 こちらからはいろいろな要望をお伝えして、電子システムさんからはたくさんご提案していただいたのですが、最終的にシンプルなシステムに落ち着きました。操作を難しくして、専門の職員が立ち合わないと使えない部屋にはしたくありませんでしたし、先生が怖がって使わなくなってしまったら意味がありませんからね。こういう機器に詳しい方が見たら、凄くシンプルなシステムに感じるかもしれませんが、先生の中にはラックの機材を見ただけで怖がってしまう人もいるんですよ(笑)。
それと今回、内装にもこだわりました。シンプルな部屋ではなくオシャレな部屋というイメージで、学生に“行ってみたい”と思ってもらえる教室を目指したんです。単にオシャレな内装というだけでなく、2面にホワイトボード兼スクリーンを設置してありますが、それぞれ壁紙を変えることで、画面の切り替わりを分かりやすくしたり。スポットライトも先生の立つ位置が少し強めに照らされるようになっています。
電子システム 志村 カメラの金具も既製品ですと部屋の意匠に合わなかったので、壁の色に合わせて特注しました。
——— イメージどおりの教室ができましたか。
今岡 先日全職員を対象とした勉強会が終わったところで、まだハイブリッド授業では使用していないのですが、音の臨場感には大変満足しています。映像に関しては、まだまだ高い理想がありますので(笑)、もう少し追求していきたいなと。
——— MXA910の音質はいかがですか。
今岡 少し前にインドネシアの大学や新潟の高校との交流授業で使用したのですが、学生の反応を見ていると想像以上に音が届いているんだなということが分かります。3回にわたって実施した教職員向けのワークショップでも、映像を見なくても誰が喋っているかハッキリ分かったので、それには感動しました。先生たちも“凄くよく聴こえる”という反応でしたね。
松平 音はクッキリしていますし、本当に良いと思います。大きすぎず、音の粒が揃っていて、聴き取りやすい。映像はまだまだですが、音に関しては理想に近いのではないかなと。
——— 最後に、Shureに対する印象をお聞かせください。
今岡 語学用の教材を収録するための小さなスタジオがあるんですが、Shureさんのマイクはそこで既に使用していたんです。なので今回、電子システムさんからご提案いただいたときも、Shureさんのマイクであれば間違いないだろうと思っていました。信頼のブランドなので安心感があります。
電子システム 志村 世界的な有名なメーカーですので、製品が優れていることは分かっているので、我々システム・インテグレーターとしてはサポート面で大変助かっています。何か困ったことがあれば、相談すればすぐに対応してくださいますし、今回も現場での調整に柔軟に対応してくださいました。製品とサポートの両方で信頼できるメーカーだなと思っています。
今岡 導入前に持参したマイクを天井に押さえ付けて、設置後のイメージで試聴させてくださって。なかなかそこまでやってくださるメーカーさんは少ないと思います。
松平 今回導入したマイクは本当に凄い収音性能だなと感心しています。まるでカクテルパーティー効果のように、教室内の小さな声まで聴こえてしまいますからね。
今後、どのような授業の形態に落ち着くのかは分かりませんが、これまでの画一的な講義型の授業に対して、学生も教員も考え方を変え始めているのは確かだと思います。学生の多くが“こういう授業はどうなんだろう?”という視点を持ち始めたと思いますし、教員の側もいかに教えるかということだけでなく、学生がいかに学べるかということに視点を移して考え始めた。学生も教員もそういう意識を持ち始めた以上、完全に昔のような授業の形態に戻ることはないでしょうし、戻ってはいけないと思っています。
神田外語学院 総務部アシスタントゼネラルマネージャー 今岡幸美氏(左)
神田外語学院 総務部ゼネラルマネージャー 松平健二氏(中央)
電子システム株式会社 首都圏支社営業部志村祐輔(右)
※撮影時のみマスクを外しています。